• GOHST IN THE SHELL
• Stand Alone Complex
• Stand Alone Complex 2
• イノセンス
• ARISE

とその時代ごとにサイバーな世界を描いてきました。かのMatrixもウォシャウスキー兄弟（今は姉妹だけど）も影響されたというので有名です。

そんなシリーズにとうとう実写版が出てしまった。だいたい実写版というとうわぁという結果になりがちでシリーズのファンである私も見るのに躊躇があって見ていなかったのですが、この度腹を括って視聴することにしました。

意外と良く出来てる

おいまじか、って声も聞こえてきそうですけど。おいまじか要素は後で書きますので安心して。

まずすごいなと思ったのは、あまり違和感なく映像描写が出来てるじゃないかという驚きです。とにかく漫画・アニメ作品の実写化は違和感が凄まじい。とりわけSFになると現代にもない世界観で全部書くわけですから難易度の高さは察するところです。

それが主人公のスカーレット・ヨハンソンはじめ、3DCGまみれなはずの背景、小道具、義体表現含めチープさを感じませんでした。

吹き替えの声もグッジョブです。田中敦子さん、大塚明夫さん始め攻殻シリーズで馴染みのあるしっくりした声。ある意味では声もデザインも変更されたARISEより違和感がないです。

バトー

でっかくて義眼のおじさん。メン・イン・ブラックにこんなのいたよなぁなんて。でも動いてるとこみるとしっくりきてます。トグサもちょい出てきますけど、こちらも最初はう、うーん？だけどすぐに慣れる程度にはハマっていました。

MAD式映画製作

MADというのはファンがいろんな作品の映像やら音楽やら切り貼りして一本にうまいこと編集したもの。

この実写版ゴースト・イン・ザ・シェルはもちろん新規で撮ってるわけですが、シーンやらなにやら殆どの場面がアニメベースです。それも攻殻機動隊シリーズの色んな所から取ってきている。

例えばこれは光学迷彩で見えないけど、水面はばっしゃばっしゃしつつ一人芝居みたいにしばかれてるおじさんがいるというアニメ版ゴースト・イン・ザ・シェルの名シーンです。そうか、実写にするとこんな感じかなんて感動するほどでした。

芸者ロボが暴走して人質取ります。SACのしょっぱなですね。

多脚戦車のハッチを義体パワーで開けようとするのも最早お馴染みの光景です。

これで何がすごいってストーリーも既視感バリバリのものが繋がれているのに、一応新規ストーリーとして成り立っています。もう途中からストーリーなんてどうでもよくなりましたが。

この実写版作った人の攻殻に対する愛情は感じました。感じたけど新しさはまるでない。まさに「実写にしていろんなシーン継ぎ接ぎして新しいストーリー作ったMAD作品」と表現するしかないです。ものすごくトリッキーな作り方で成立してるのに加え、先述のように違和感はあまりないので怖いもの見たさで見るにはいいと思います。個人的にはNETFLIX版攻殻よりは攻殻してたと思います。

荒巻について何か言うことはないのかって点は、もう何か言えることはないです、うん。