Battlefield 6 OPEN BETAをやってみた感想

まず紹介しておくと、自分はこれまでBFBC2を皮切りにBFHL、BF4、BF1、BF2042とやってきた。その上で今作のBF6についての感想を述べていきたいと思う。

私の評価はイマイチといったところ。正直言ってよろしくない。

戦線の有無

BFの一つのテーマは戦線にあると思っています。戦線はマップ内の拠点間に置かれた膠着する部分のこと、という定義で話を進めたいと思う。

そこで鍔迫り合いが起きるので援護兵や工兵といったサポート役に出番が回ってくる。BFでは敵とAIM勝負するだけが戦いではなく、他にやることが沢山ありAIM力によらずプレイできるのが最高に良いところだったと考えている。具体的に言えば医療・弾薬バッグを配って歩いたり蘇生したり、敵が突破を狙って戦車を出してきたら工兵が迎え撃ち、といったことだ。

今作はどうかと言えば、常に機動戦をしている。部分部分ではたしかに膠着するようになってるところもあるがそう数はない。ゲームのテンポを早めることに腐心したようなのでさもありなんだろう。結果として今まで経験したことがない程援護兵がいない。これまでであれば遮蔽物越しに打ち合っていたので不運にも倒れてしまった味方を蘇生して回ることができたのだが、今作では常に動き続け、敵もあらゆる方向から出てくるので蘇生している場合ではないのだ。

戦線があるから裏がある

ある程度上手くなってくると膠着してる戦線は味方に任せて脇道から敵の後方拠点を攻める裏取りというプレイがある。戦線を維持してると突如敵が弱まり抜ける経験があると思うが、それは戦闘向きなプレイヤーが少数で裏取りに成功している場合が多い。BFBCやHLくらい、ギリギリBF4あたりまではこれが意図してマップが作られていたように思う。

そしてこれをやるためにはメインとなる戦線があるからこそなのである。多くの敵を引き付け防衛側も必死で守らないといけない。だから隙が生まれて裏に回れるのである。

というわけで、BFの素晴らしかったところはメインの戦線ではプレイヤーは必ずしもAIM力・機動テクニックが必要ではなく戦闘が出来た。雑な言い方をすれば兵科ごとの仕事をこなし前向いてぶっ放していれば仕事ができた。一方で上手くなれば単騎、あるいは分隊など少数で脇にいる敵を倒し裏まで回ることで戦況を覆すという楽しみがあった。

今作では拠点間で膠着することがなく、下手だろうが上手かろうが魚群となって行動する以外はない。一人で動き回っていても敵が来る方向、撃ってくる方向が読めないので超人かチーターくらいしかマトモなプレイにならないだろう。

マップの小ささ

巷ではマップが小さいだのこれでいいだのと賛否あるようだが、そこは正直核心ではないだろう。一番の問題は拠点間が近すぎることと、大量のオブジェクト(隠れ場所)だと思う。そしてそれによってもたらされるのはクリアリングという概念が消滅したことだ。

拠点間の短さ

コンクエストで言えば拠点間があまりにも近いためどこかが落とされかけてても大抵防衛に誰かしらは間に合う。もちろん防衛に成功するかどうかは打ち勝てるかどうかなのだが、あまりにも秩序がなく勝敗は運任せに近い。

これは先に述べた裏とりにも関係する。裏を取りにいった場合、当然ながら戦力は限られている。拠点に入ったらなるべく有利なポジションで打ち勝つ戦法になる。その場合でも多くの兵士はメインの戦線にいて戻るにも時間がかかり他の拠点から走っても間に合わない。ところが今作では拠点制圧の時間はそのまま(むしろ遅くなった気すらするけど)で拠点が近いので走って防衛に間に合う。

オブジェクト

そして次に大量のオブジェクトだ。特に複数回構造の建物が山程ひしめいている。その結果、あらゆるところで敵を待ち受けることができる。また、ビーコンを隠す場所も山程ある。その結果終わらないクリアリングが始まるのである。もっと言えば拠点リスポン位置も色々あるようだが場所によっては敵の側面を即突ける位置になったりする。突かれる方はわけがわからないまま死ぬ。クリアリングした筈なのに敵が湧いてくるのである。

そんなわけで援護兵が全然いないにも関わらず偵察兵がやたら多い。かくいう自分も偵察兵にARかSMGを持たせている。クリアリングのしようがないためT-UGS(今回は実装されてなかったがモーションセンサーが出たら使うと思う)がいたるところに置いてある。ビーコンも隠しておいておけば確実に分隊の役に立つ。

とにかく全体として敵がどこから来るかまったく想像がつかないのだ。敵がいるはずだと思って走ってると味方とすれ違うなど茶飯事である。これじゃデスマッチと変わらないではないか。とりわけ市街地戦マップでは顕著である。

破壊表現

今作の目玉の破壊表現もどうしようもないと思う。破壊したところでなにかプレイが変わるわけではないし、強いて言えば建物から撃ち下ろすため待ち構える視野がひらけるくらいだろうか。BFBC2でも破壊表現はあったのだが、敵の視界に入らず侵入口を作るのにいい感じになっていた。あれは素晴らしかった。今作は破壊させてどんなプレイ体験をもたらそうとしたのだろうか。瓦礫の細かさはすごいがそれだけだ。

魚群

対策としては大量の味方と動くことである。物量で押しつぶせばいい。BF4でも魚群ゲーはひどく大規模コンクエストはゴミだと思ったものだが、それと別の酷さがある。昔の魚群はまだそこでプレイしようという意思の元やっていたが、今作ではそれしかやることがない。しかもマップが小さく戦況変化もとてつもなく早いので、一人でいるわけにはいかないから味方と動こうとしているとたまに魚群となって敵の拠点をすり潰せる、といった偶然に対する受け身のようなゲーム体験をもたらしてくれる。

分隊でがんばって動いたところで先に書いたように敵は到着するわ無数のオブジェクトから撃ってくるわ四方八方から来るのだ。勝ち目は薄いので分隊で動く意味も兵科に関係なく蘇生できることとビーコンが使えること以外はない。だいたいビーコンを使ったところで分隊だけではどうにもならないことが多いのだからやらない方がマシとさえ思えてきた。

クリアリングは諦めよう

クリアリングは本来安全エリアを拡大する意味があってやっていたが、上記のような現象が起きるので諦めよう。安全地帯はないし敵味方の動きも読めないのでなるべく多くの味方とわちゃわちゃ動いているしかない。何かしら努力しようとするのは無駄である。

交戦距離の短さ

基本的に短い。芋ったりオブジェクトで敵を待ち受けるというのでなければARかSMGで十分だろう。間をとったカービンのM4が武器調整ミスってるくらい強いのでそれを持っておけばいいと思う。

お祭りゲーとローンウルフ

今作は開発コミュニティでも挙がっていたがローンウルフを否定する意図を強く感じる。以前からBFの良さとして挙げられる味方と協調してお祭りのように突撃する、というのがやりたかったようだ。もっとも、お祭りどころかただの無秩序な暴動みたいなもんだが。

それにしたって笑えるのは偵察兵突撃スタイルを選択するプレイヤーがあまりにも多いことだ。このスタイルは割と伝統的なのだが、以前であればBFをやり倒したプレイヤーが一人で索敵から中近接戦闘で目標を達成するようなポジションだったはず。それをみんながやって、逆にお祭り担当みたいな援護兵が全然いないのはお笑いである。

兵科

突撃兵は武器を2つ持てるしアドレナリンで走る速度と防御力に一時的なBUFFをかけられる。ただどうせ一人で突撃したところで死ぬだけだし、継戦能力が多少があがったところで相手は団体様なので知れている。

援護兵は動き回る味方の後ろをついて回るならいいが、サポートというよりも介護みたいな気持ちになってくる。味方を蘇生させて維持したポイントもどうせすぐ用済みになる。

工兵は対空・対戦車両武器と修理ツールを全持ちできるようになった。さらに今作ではタンクデサントスタイルで乗れるので修理プレイが捗るだろう。ただあまり楽しい感じはない。

偵察兵はここまでに書いた通り、環境兵科だと思う。全くうれしくないが。芋るならむしろ援護兵でいいんじゃないか。回復できるし芋ポイント仲間を蘇生もできる。とりあえず超短期的なクリアリングはさすがに必要なのでモーションセンサーでお手軽にできるのは大事である。

武器バランス

武器以前の問題が多すぎて正直どうでもいい。困ったらM4持っとけばいいと思うし交戦距離長そうなマップならAR、短そうならSMGでいいんじゃないだろうか。LMGは…なんか持つ意味があるのだろうか。さっぱりわからないが。悠長に伏せうちしてたら後ろで湧いた敵やどっかの建物にいる敵から弾丸を頂戴するだけだろう。

総評

とにかくわちゃわちゃ感だけを大事にして生まれた無秩序な進行のゲームだと思う。2042でマップの広さに対する文句が大量に出たため反省したのだろうがあまりにも表面的反省だったと思う。今回はDICEの中の人達も以前からいたメンバーは抜けてしまったということでBFらしさの理解もなかったのかもしれない。ただただ2042を反省し、EAの親分達に納得されるために頑張っただけのように思える。

開発陣は大丈夫なのだろうか

実際の開発環境は知る良しもないのだがネットで情報を漁ってるとあまり穏やかじゃないなぁと思う。EA自体ゲーム屋ではなく商売人なのでしょうがないのかもしれない。今までBFをやっていたメンバーの98%はEAを去ったとも言うし。

スタジオは増え、予算も当然増えているのだろうがゲーム体験は何一つ向上していない。グラフィックや表現に凝るのは大事なものの、それは優れたゲーム設計あって初めて役に立つものだろう。

EAはかつて名作SIMCITYを木っ端微塵にした前科もあるのでもうBFというIP自体がだめなのかもしれない。

ちなみに抜けた人たちはスタジオ作ったりもしている。TTK Gamesは今のところゲームを作ってるという話を見ないがいずれ面白い作品を出してくれないだろうか。BFBC、BF4を作った人であれば期待したいところ。

https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20230524075

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