15年+αぶりにPCを自作したよ
今から20年ちょっと前は自作ブーム真っ只中だった。メーカー製のPCが高く、同じスペックでも自作より10万以上の値段がついていたというのもある。
自分は最近PCゲームをすることもなくなったのでお仕事用のMBP一個で事足りていたのである。ところが、仕事柄一日に微妙すぎる待機時間が大量発生していて、そういうときはSwitchでちょこっとスプラやったりとしていたのである。先日スプラのプレイ時間を見て仰天した。500時間である。アホか。平均して一日に二時間ほどプレイして250日。たしかにそういう日は多い。それにしたって500時間あればそれなりにガチなゲームも余裕でできてしまう。言っては悪いが、Switchのソフトは子供やファミリー向けが多くガチゲーマー向きではない。どうせゲームするか本読む程度しかできない時間が有り余ってるのだ。そうだゲーミングPCを作ろうとなったわけである。
折しもビットコインはじめマイニング規制とグラボ側の対応があり、グラボはマイニング全盛から考えると信じられないほど値が下がった。そしてRTX4000番台も出たばかり。CPUもIntelなら14世代が出たばかり。買い時おじさんをするなら今である。
今はBTOが星の数ほどあるので見てみたけど、思いの外スペックに比してお高い。5〜10万上乗せってもんだろうか。今更自作で困ることもないので自分で作ることにしたのだ。
どの程度のスペックを狙うか
今までゲーム用であれば15万ちょっと程度で組んでいる。ミドルエンドだのハイエンドだのあるが、昔から15万で作れるPCにすれば自ずとミドルエンドになる。これくらいのランクであれば5年後若干の陳腐化はしてるかもしれないが一線級のゲームも最悪は画質ちょっと下げるなりで動くだろうって感じだ。
しかし今回は4070を採用するアッパーミドルで組むことにした。GPUのメモリバス帯域は4070でがっつりあがるようである。といっても正直ノリだけで決めた。毎回同じ価格帯で作るのも進歩がないってものだ。ここは大人の財力でちょっと上乗せして20万弱でいこうやないかと、そういうことになったのである。想定では7年くらいはこいつで戦えるはずである。
余談だが、各パーツのスペック表やらベンチマークのグラフやら見て落とし所を考えながらうんうん唸っていたが、考えてみれば20万円というのは今やお高めのスキー板1セットじゃないかと…ぼくは後ろを振り返らない男である。明細表もみない。ごめんうそツライ。
構成
- CPU Intel i5 14600KF
- GPU MSI RTX4070 OC 12G
- M/B ASRock B760M-HDV/M.2 D4
- SSD ADATA ALEG-800-2000GCS
- CPU_Cooler Deepcool R-AK400-BKNNMN-G-1
- Case ANTEC P5
- Power_Unit 玄人志向KRPW-L5-600W
概ねこんな感じである。パーツリストだけでは味気ないので、一応チョイス理由も書いておきたい。
CPU
今どきはCPUパワーは余りがち、グラフィック能力の方がどう考えてもゲームには大事である。といってもCPUがグラボの足を引っ張らない程度にする必要はある。14世代は13世代とスペック的にあまり変わらないマイナーチェンジのようだ。といってもワッパの改善もあるし値段も違わないので14世代でいいだろう。末尾のKFはKがオーバークロック対応、FがCPU内蔵GPUがないということになる。オーバークロックは正直どうでもいいけど、ゲーミングPCなのだからグラボは別に積むに決まってる。無駄なコストもいらんのでF付きとなって結果KFとなる。
GPU
4070で一番安かった。OCモデルだしメモリも12Gだし特に問題はない。ゲーミングPCを作るならここに何を選ぶかを最初に決める。その後、GPUがフルに機能できるように構成を考えるわけだ。ある意味一番悩まないところである。
M/B
14世代Intel対応となるとB760とやらのチップセットになるそうな。最近のPC事情を知らないと、実はマザーボード決めるのが一番かったるかったりする。メモリはDDR4になる。DDR5も考えたが、チップセットのランクを上げなくてはいけないし、メモリ含め大幅にコストアップする。ベンチマークを見る限りDDR4で十分そうだ。
以上の要件を満たす中で一番安いものを選んだ。MicroATXであることが唯一の気がかりだったが、それは自分の感覚が古いとも思わされた。昔はATXが普通で、PCIスロットに色々挿してたものだけどUSBは爆速になり、ストレージも大容量化している。なのでわざわざ内蔵で付けるカードもそう無いのである。後述するけど、ケース内があまりにスカスカで15年のブランクに思いを馳せてしまった。
あとさ、ゲーミングM/Bってなんなの…意味がわからなすぎて笑ってしまった。
SSD
今回のうらしまたろうになったポイントの最たるところである。M.2ってなんだよと。要はM/B直結のストレージらしい。I/FはPCIe Gen4*4となっていて何を言っているのかと思ったが要するにSSD専用のPCIeバスがM/B上に乗っているってことのようだ。Gen4*4ならざっと見たところスペックは変わらんので安くてまぁまぁ信用できそうなメーカーを選んだ。今回のM/Bには4*3のM.2スロットもついていた。速度は落ちるがストレージ増やしたければ選択肢としていいかもしれない。
CPUクーラー
正直ちゃんと冷えて静かならなんでもいい。知らなかったが、最近のCPUクーラーは対応する消費電力が表記されている。確かに発熱量は消費電力とほぼ等価だ。
ITXのようにケース幅が極端に狭いわけではないので大きさは気にしなかった。あとは安くて口コミも悪くなかったから選んだ。実際めっちゃ静かであった。
Case
どうでもいいと言えばいいが、外観や音、組やすさと気になるには気になる厄介なパーツである。困ったときのAntec。安定のAntecである。かれこれ3代に渡りAntecのケースでPCを作っている。このP5、側面の両パネルには防音シートが貼ってある。それもペラいのではなくて防振のためだろうずっしりとしたものだ。現代のファンは静かすぎてケース開けてても音はほぼしなかったのだが、ケースにいれるといよいよ音がしない。
20年前の自作PCスペック競争がちょっと落ち着いた頃、台頭したのが静音ブームであった。その頃コールタール素材で作ったシートが売り出されて買ったことを覚えている。実に効果があって感動したものだ。他にもボールベアリングはうるさすぎるということで流体軸受も流行った。SANYOだったか。懐かしい。しかし今や適当に組んだって”無音”そのものである。感慨深い。
組易さは全く問題なかった。底面に電源が直接外気を吸えるように吸気口がついてたのも良い。
電源
これもまたなんでもいいのだが、一応ちょっと大きめの600Wにしておいた。構成としてはゲーミングPCとして成立する最小限だし問題はなかろう。1000円くらい安いものもあったのだが、電源の色がグレーであった。ケースが黒なのに電源がグレーだと明らかに浮くと思ったのでこちらに。意外とこういうのは後々気になるもんである。後ろなんてみねーだろって話はあるが、作った自分は知っているのである。
組み付け
買ったもの一式はこんな感じになった。コンパクトな感じである。
さすがMicroATX。小さい。
そして自分はPCIeを見るのもM.2を見るのも始めてなので新鮮だった。面白かったのが、ケースのスイッチやらLEDやらを繋ぐ線は昔とまるで変わらないただのピンである。自作PCなんて作業自体はプラモより簡単だけど、唯一手先の器用さを要求されるのがこのピンである。
CPUクーラーを付けると作業性が著しく悪くなるので平べったいものから片付けていく。人生初のM.2 SSDだ。ネジ止めするんだなぁなどと感心しながら取り付けた。他にもメモリを挿したりした。
CPUはこんな感じ。今のCPUはコアむき出しじゃないのが本当に良い。自分は昔AMDのThunderbirdを二回コア欠けさせたことがある。小さいコアにでっかいCPUクーラーを乗っけて強力なバネで止めるのである。壊させて売上アップを狙っているのかという、今考えてみればあまりにクレイジーな仕様だった。ビバ今どきCPUである。CPUには当然向きがあるのでそれだけ気をつけて載せた。
よくわからんケーブル類。でも想像はつくし、挿さるところに的確に挿せばいいだけである。
ケースはこんな感じ。ファンが前後にちゃんとあっていい。一応3.5インチ、5インチのドライブベイがあるのだが、SSDすらM/Bに直接乗っかってる今となっては使い道がない。写真を見ていてふと思ったが、ドライブレスであれば奥行き半分近くになるのでは。そういうケースも探せばあるのかな。
完成しました。困ったところは特になし。
最後に
最終的に19万くらいで完成した。今は円安なのでもっとPCパーツもあおりを受けているのかと思っていたが十分安いだろう。Ask価格などという言葉があるが、もし円安を吸収しているのであれば評価してもいいのではなかろうか。それかコロナ後の受給の崩れでこの価格なのか。わからないが1消費者としてはありがたいことである。
早速やりたかったSEKIROをプレイしてみたのだが難しすぎて鼻血でた。ダクソ3は8週したほど好きだったが、これは別物であった。
おまけ(15万セットの場合)
15万弱の構成であれば4060Tiあたりになるだろう。
その場合はCPUをRyzen 7 5700Xに、M/BをMSI Pro B550M-P Gen3に、GPUをMSI GeForce RTX4060Ti Gaming X 8Gとするつもりだった。参考までではあるが、ここで供養しておこうと思う。